杉浦英一建築設計事務所
|花井 西麻布
六本木通り西麻布交差点から程近い、テナントビルの1階に位置する鮨店舗である。
■ 個を尊重した客室空間
この鮨店では、職人との対話をもちつつも、落ち着いた時間を過ごすことができる鮨店を意図した。カウンターと平行してフレキシブルにスライドする4枚の間仕切パネルを設け、個室的な雰囲気を備えたカウンター席とした。さらに、席と通路はステンレス製の簾をはめ込んだ引き戸により仕切られ、より個室性を高めている。
■ 簾による半透明な領域感
簾の見る角度により視線を通したり遮ったりする性質は、各領域を緩やかに分節し、この空間に個室の親密なスケール感と、視線の広がりとを同時に与えている。
■ 高品位な食の空間
従来の鮨店のもつイメージに捕われない、密実で品のある食空間の創出を目指した。仕上げはウォルナットと土壁の色を基調とした中に、塗装を施した金属簾が鈍い艶を出し、重厚な面持ちと繊細さを合わせ持つ空間とした。
花井ホームページ
竣 工:2003年11月
所 在 地 :東京都港区西麻布
構造規模:飲食店舗(内装)
延床面積:66.32平方メートル
施 工:高島屋スペースクリエイツ