02住宅の顔 周辺となじむ住宅をつくる


02住宅の顔 周辺となじむ住宅をつくる

その住宅が建っている環境と、住宅そのものの関係はとても重要である。人間社会を例にとれば、個人と社会の関わりのようなもので、健康的な生活を送るためには、両者の良好な関係なしでは成り立たない。
都市住宅の場合は、近隣に人が住み、また街路にも人が行き交う。きわめてプライバシーの高さを要求される「住まい」と、周辺環境の距離感をどのようにしてとるかということは、住まいやすさに大きく関わってくる。周囲の環境に対して「閉じる」だけでは心地よい住まいはできず、同時に「開く」という、一見して二律背反にも見える要素が重要になる。
また、よい建築は、その周囲の環境の価値を高める力をもっている。その建物が建ったことで、周辺も含めて雰囲気がよりよくなっていく。良好な周辺環境に支えられた住まいにより、人は健康的な生活を送れるのだと思う。

「美しい住宅をつくる方法」より


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