ヤマハ株式会社様主催の「音環境セミナー」に参加させて頂きました。

都市部の住環境において、音に関する問題は非常に身近な問題であり、御施主様からも御相談を頂く機会が多くなっております。ヤマハ社では楽器だけに留まらず、建築音響に関する豊富な技術を有しており、セミナーでは設計者に不可欠な工学的知識を学ばせて頂きました。

防音室のカット模型
ひとくちに「防音」といっても、工学的には「遮音」と「吸音」という2つの手法に分けられ、異なる対策が必要になります。

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ショールームでは様々なコーナーが用意され、体験を通して理解が深まります。
中でも、様々な吸音素材ごとに内装が統一された複数の部屋を一室づつ比較していくコーナーは非常に興味深い経験が得られました。
例えば優秀な吸音素材でも、1種類のみを敷き詰めただけの部屋では、特定の周波数の音だけが吸収され防音の効果が限定されてしまうことはさることながら、たとえ音を発していなくても無意識に感じ取っている室内の微かな残響や環境音が奪われてしまうことで、室内の居住者には指を耳に入れられた様な不快感や閉塞感が伴うことがわかります。
yamaha02.jpg


建築の設計デザインというと、造形や陰影を感じる視覚情報や、温熱感やテクスチャを感じる触覚情報に気が行きがちですが、快適性を左右する要因として、音環境も同様に大切ということを再認識させられました。

bob

sugiura-arch (2016年9月30日 17:08) | コメント(0) | トラックバック(0)

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