鎌倉で住宅が竣工しました。
鎌倉というのは、「地霊」を感じる場所だと思います。自然環境に恵まれた、豊かな土地ですが、かつてそこに生活したであろう先人の「気」のようなものが、そこはかとなく漂い、建築のデザインを新たにする場合であっても、何かそれを受け止めるためのエレメントが必要である感じがします。
今回の場合、それは施主の持っていた「シャンデリア」ではなかったかと思います。

この住宅では、シャンデリアを空間の中で顕在化させるために、室内の仕上げを床、壁、天井すべて同一の材料を使用しました。「合板のシリンダー空間」です。
これに対して、1階はモノクロームの空間です。白と黒のタイルを市松状に張り、壁は白、または黒としており、ここでも入り口付近にあるシャンデリアが人を迎えます。

11月から施主の生活がそこで始まる予定です。どのような生活が、そのシャンデリアを中心に営まれていくか、デザイナーとしてはとても興味深く見守り続けたいと思います。(Sugiura)

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